エドウィン私的整理 粉飾決算の金額1100億円

エドウィンが私的整理を目指すようだが、粉飾決算の金額は1100億円にものぼるようだ。金融機関から債権放棄の協力がどこまで得られるのかどうか、注目かもしれない。


伊藤忠商事 豊田通商 ワールドが経営支援を検討

エドウイン経営支援、伊藤忠など3社が検討
(2012年12月15日09時01分  読売新聞)
証券投資の失敗で巨額損失を抱えたジーンズ大手エドウインに対し、伊藤忠商事と豊田通商、アパレル大手ワールドの3社がそれぞれ経営支援を検討していることが14日、明らかになった。
エドウィンは、非上場企業である事もあり財務状況が報道される事はなかった。冒頭の画像を見ると、わかりやすいが8月に証券投資で巨額の損失が発覚することで、一気に注目が集まった。

支援の目的とスキーム

衣料ビジネスの強化

支援を検討する3社は、エドウインが持つブランド力や縫製・加工の高い技術力を通じて、衣料ビジネスを強化する狙いがあると見られる。
伊藤忠商事、豊田通商、ワールドの目的は、衣料ビジネスの強化が狙いであるようだ。そのため、ブランドの確保だけでなく、生産設備や従業員も引き継ぐことが検討されている。」

新会社を設立

新会社を設立し、エドウインの商標や生産設備、従業員などを引き継ぐ案などが検討されている。
支援のスキームとして、新会社の設立が検討されている。あくまで、管理人の私見だが、現在のエドウィンと別の会社を設立する事で、債務を切り離すことが目的なのかもしれない。

エドウィンは、高い知名度とブランド力があるため、経営支援を検討している総合商社とアパレル大手があるようだ。ただし、スムーズに経営支援が実行されるかどうかには注目が必要だ。

債権放棄の要請

取引金融機関にも債務減免(借金の棒引き)などの金融支援を求める方向で、私的整理による再建を目指す。
エドウィンは、債権放棄を金融機関に要請するようだ。これは、エドウィンは、デリバティブだけでなく、粉飾決算が経営危機の一因であることを考えると、一筋縄でいくか微妙だ。

粉飾決算の金額

同社が設置した第三者委員会の調査で、324億円のデリバティブ(金融派生商品)取引の運用損に加え、有価証券の評価損や不適切な会計処理が明らかになり、決算の粉飾額が1100億円超と判断された模様だ。
8月の報道後、第三者委員会を設置後、デューデリジェンスを行い資産査定を行ってきたが、EDWIN倒産報道の真相を考えていくと厳しい実態が想定されたが、財務は相当悪いようだ。

読売新聞は、エドウィンの不正経理問題について数字を示している。その内容について見ると、デリバティブ投資の運用損は324億円と巨額であるが、粉飾決算の金額は1100億円とそれ以上に多い。

エドウィンの粉飾決算と事業再生ADR申請

  • 決算の粉飾額1100億円超
  • 324億円のデリバティブ取引の運用損
  • 有価証券の評価損
  • 不適切な会計処理
つまり、デリバティブ投資の一回の失敗による損失ではなく、企業の体質として根深いものを感じる。エドウィンは私的整理を目指すようだが、1100億円も粉飾決算をしているとなると、金融機関が債権放棄に簡単に協力することはないのではなかろうか。

第三者委員会の調査では、有価証券の評価損に加えて、会計処理の不適切さが明らかになったようだ。粉飾決算 脱税と倒産で、倒産や銀行融資についてまとめている。エドウィンの事例についても続報がでたので簡単に見てみよう。

エドウィン倒産危機 ADRの理由をまとめたが、2013年11月27日にエドウィンの事業再生ADR申請が報じられている。エドウィンはバンクミーティングを10回以上開催しているが、経営再建策で合意しておらずスポンサー企業も不透明なため、法的整理に移行するのか注目と言える。

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15 件のコメント:

  1. 記事読ませていただきました。
    事件から1年近く経ちますが、スポンサー会社は決まったんでしょうか?
    シャープのようにリストラは行われる可能性はあるのでしょうか?

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      エドウィンの続報は、でていないようですね。

      ブランドイメージを大事にする業界ですから、水面下でいろいろと決まっているのでしょうか。
      エドウィンの買収を検討された3社は上場企業ですし、債権者の銀行も上場企業です。

      不良債権処理も兼ねていますので、何らかのアナウンスを行う必要があると思うのですが、長引いているのかもしれないですね。

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  2. ≫Portiland Portiland
    こんばんは。
    返信ありがとうございました。
    1年経って何も決まっていない(表向きは)ということは、倒産することはないですよね?

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんにちは。
      返信遅れて申し訳ないですm(_ _)m

      粉飾決算や融資の延滞のときは、バンクミーティングや債権者集会を開いていると思います。
      エドウィンの場合、何かあればマスコミが報じるはずですが、信用補完が進んでいるのかマスコミが報じないのかのどちらかと思います。

      エドウィンの財務が、粉飾決算でどこまで痛んでいるのか全貌が気になりますが、本来は企業が公表すべきと思います。
      現時点では、大口債権者の動向に注目することしかできないですね。

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  3. こんばんは。
    何か進展はあったのでしょうか?

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      報道にしても、全く進展がないですよね。

      エドウィンについて、電子掲示板情報で恐縮ですが。
      メインバンクは私的整理で行いたいようですが、他の銀行が法的整理などで厳格に行うべきという話がでているようですね。

      総合商社が出資や支援するとしても、債権カットやDESの可能性があるのであれば、動けないのではないかと推測しています。同族企業ですから、権利関係も複雑なようですね。

      エドウィンは第三者委員会調査の話があり、調査が終わったのか存じ上げないのですが、結果も公表されていないようですし、ゴタゴタしている印象があります。

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  4. ≫Portirland Portirlandさん
    Portirland Portirlandさん、返信ありがとうございます。
    Portirland Portirlandさんの予測では、今後エドウインはどうなっていくと思いますか?

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      エドウィンについて、私的整理を行うのかどうか、現時点の情報では何とも言えない状況であると思います。

      エドウィンは、私的整理と法的整理のどちらを行う場合であっても、債権の金額が多いので銀行さんは役員決裁になるのかなぁと推測しています。
      エドウィンは債権者を無視して勝手なことができないわけですが、言い換えると、何も決められない可能性があります。

      エドウィンは再建計画で債権者の承認が得られていないのであれば、新規事業や追加投資、マーケティングの費用などは自由に認められないのではないでしょうか。

      匿名さんの立場によりますが、試算表を徴求できるのであれば、月次の売上高を確認されるのはいかがでしょうか。エドウィンの決算期は、まだ先ですのでブランドの盛衰について確認するのが有効であると思います。

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  5. こんばんは。
    エドウインについて続報が出ていましたが、プラスの内容なのでしょうか?

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんにちは^^

      エドウィン倒産危機 ADRの理由
      http://funshoku.blogspot.jp/2013/11/edwin-tousan-kiki-adr-riyu.html

      エドウィンは事業再生ADRの申請をしましたので、簡単にまとめています。
      事業再生ADRは成立要件は極めて高いため、非常に難しいと考えています。

      エドウィンは1年以上、経営再建が進んでいませんが、かなりもめているということなのでしょうね。

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  6. PPさん

    PPさん、こんばんは。

    先週、EDWINについて続報が出ていました。

    どうやら、伊藤忠商事が支援するようです。

    これで今後、ADR成立の可能性は高まったのでしょうか?

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      エドウィンの続報について、拝見しましたが、伊藤忠商事が乗り出すのであれば心強いですね。

      エドウィンのADR成立については、引き続き注目であると思います。
      エドウィンのADRは、商社が銀行融資の負債込みで、企業買収するわけではありません。

      エドウィン買収条件について、報道を見ると、債権放棄についての言及があります。
      エドウィンのように多額の債権放棄を行うときは、銀行では取締役会決議がいる可能性が高いです。

      エドウィンの保有資産への担保、エドウィン関連企業や創業者一族の保証なども異なる可能性があります。
      そう考えると、エドウィンの買収に伊藤忠商事が名乗りをあげたとしても、何とも言えない状況と言えそうですね。

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    2. ≫PPさん

      PPさん、こんばんは。

      負債込みではなく、あくまで企業を買収するということですね。

      ADR成立に向けて前に進んだわけではない?ということでうか?

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    3. >匿名さん
      匿名さん、こんにちは^^
      エドウィンではなくて、少し極端な話になります。

      税金や給料などの、優先債権を除くと仮定して。

      (1)負債400億円 買収金額200億円 債権放棄200億円
      (2)負債200億円 買収金額200億円

      上記の事例であれば、エドウィンが(1)であれば債権者への配当が単純計算で50%になります。
      エドウィンが(2)であれば、債権者への配当は100%になります。

      現実問題で考えると、エドウィンの事例は(1)のように、債権放棄が必要になるものと思います。
      民事再生を申請して受理されているのであれば、前に進むのではないかというのが私見です。

      ADRについては、個別銀行の心証に大きく左右されることになります。
      伊藤忠商事も商売ですから、ADR関連で名乗りをあげたとしても、民事再生で債権カットが進んだ段階よりも大幅に高い価格は提示していないのではないかというのが妄想です^^

      エドウィンの清算貸借対照表などがあればよいのですが、伊藤忠商事が、のれん代をいくらくらいで計算しているのかは気になりますね^^
      総合商社としての戦略を考えると、資源価格が低迷していますから、本腰を入れて買収をしている可能性も高いです。

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    4. PPさん

      こんばんは。

      先月の報道にあった、伊藤忠商事が支援することに決まった場合

      エドウイン社に起こる変化は、何と予想しますか?

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