シャープはホンハイと提携交渉の凍結を決断、他社との提携を模索した。提携交渉中に、格付けが格下げ、困難な提携交渉を強いられることになった。
鴻海(ホンハイ)との交渉凍結
前回、
シャープ経営者の失敗(2)で、シャープはホンハイとの提携交渉を凍結。前社長である、片山会長を前面に立てて、ホンハイ以外の会社と提携交渉を模索する。11月20日、日経新聞2面の記事の続き。
提携交渉を行った各企業
一方、奥田から委任を取り付けた片山は猛然と走り始める。行き先は米国だ。
インテル、アップル、デル、ヒューレット・パッカード、マイクロソフト。省電力で消費電力が少ない新型液晶「IGZO」を核にした業務提携を結ぶため、社長時代の人脈を活用して精力的に交渉を始めた。
どうやら、
シャープの提携交渉が、片山氏主導で進められていったが、IGZOを核にした業務提携が想定されていたようだ。一部で報道されていたが、
提携報道の真相は、ホンハイとの駆け引きと言う観測も出ていた。
業績悪化の報道と格付け格下げ
だが、シャープは11月1日、13年3月期の最終赤字予想を4500億円に再度下方修正した。12年4~9月期の決算短信には、経営の継続に関するリスクを初めて開示した。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、シャープの長期格付けを「投機的」の最上級とされる「ダブルBプラス」から、3段階引き下げた。
片山氏は、提携交渉に積極的に乗り出したものの、業績予想の下方修正により、シャープの長期格付けが大きく引き下げられ、ジャンク債になったようだ。
社員と取引先の指摘
社員から片山氏の責任を問う声
財務が一段と厳しさを増す中で、部品供給の長期契約や、資本提携をまとめるのは容易でない。社長時代に液晶パネルの在庫の山を築き、経営危機の原因を作った片山が、再建を実質的に主導していることに、違和感を抱く社員もいる。
社内からも、片山氏の責任を問う声が、あがっているようだ。確かに、業績悪化の原因を作った人物が再建できるのかという指摘は一利あるであろう。
部材メーカーがシャープのダメな点を言及
シャープと韓国サムスン電子の双方と取引がある部材メーカーの幹部は言う。「サムスンは『売れる液晶がよい液晶』と考えるが、シャープは『良い液晶は売れるはず』と考える。私もメーカーの人間だから、技術を極めようとするシャープの職人魂には共感する。だがその考え方では今のシャープは救えない」
部材メーカーの指摘について見てみよう。
- サムスンは『売れる液晶がよい液晶』
- シャープは『良い液晶は売れるはず』
これは、かなり違う。シャープは業績悪化と格付格下げの逆風の中、提携交渉を行っているが、会社の社風をかえる必要もあるのかもしれない。
シャープ堺工場でホンハイ会長がドタキャン(4)に続く。
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