シャープ ホンハイと提携交渉失敗

シャープはホンハイ(鴻海)から出資を受けて経営再建を行う事を発表していましたが、期限内の提携交渉締結に失敗しそうなようですね。シャープが第三者割当増資に頼れば株主価値を毀損することになります。シャープを倒産寸前に追い込んだ人物が提携交渉の責任者である点も、シャープに人材がいない事を、表しているのかもしれないですね。

(1)シャープの飛ばし報道

シャープの業績について、とばし報道が続きましたが、毎日新聞がホンハイとの出資交渉に失敗した事を報じています。シャープの飛ばし報道に関わらず、シャープは資本増強をどうするかの一点を常に経営課題として抱えている事は、皆さんご存知の通りであると思います。

(2)シャープホンハイとの出資交渉を打ち切り

シャープとホンハイの提携交渉が失敗した事を、毎日新聞が2013年02月23日にシャープ:鴻海と交渉中止 協業巡り対立、期限内には困難と報じているので見てみましょう。
経営再建中のシャープが、3月26日に期限を迎える台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との出資交渉をいったん打ち切る方針を固めたことが22日、分かった。シャープの業績悪化による株価低迷や、中小型液晶分野での協業を巡る意見の不一致などから、期限内に交渉をまとめるのは難しいと判断した。
シャープがホンハイとの出資交渉打ち切りを発表していますが、シャープの出資交渉打ち切りは、その分の資金をどこかかから調達する必要が生じます。

(3)資本提携が必要な理由

資本提携を打診している他の有力企業との協議を優先する。鴻海との交渉を再開するかは未定。
シャープは資本提携を、ホンハイ以外と模索するようですが、資本提携が必要な理由について見てみましょう。
シャープが増資を必要としている真相は、業績悪化や負債によりシャープの財務が圧迫されているからです。シャープは投機的水準の格付けの中で格下げされており、銀行借入のみのファイナンスは銀行が認めない可能性がありそうですね。

(4)ホンハイと出資交渉難航の理由は片山氏

両社は昨年3月、鴻海がシャープ株を1株550円で買い取り、計約669億円出資する資本提携で合意したが、業績悪化でシャープの株価が急落し、買い取り価格の見直し協議を余儀なくされた。
シャープとホンハイの出資交渉失敗は、株価のことばかりが報道されていますが、シャープ提携失敗に片山会長の存在があります。
シャープの片山会長は、ホンハイとの提携交渉に対して、揺さぶりをかけていますが本格的な出資を引き出す事に失敗しています。シャープの経営危機は、片山会長の投資失敗が原因ですが、シャープは会社を再建するための人材が余程不足しているようですね。

(5)中小型液晶パネルの分野の協業で対立

価格以外でも、シャープが経営再建の柱に位置付ける中小型液晶パネルの分野でも協業したい鴻海と、拒否するシャープで意見が対立。最大顧客の米アップルがスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」を減産するなど、鴻海の経営環境に陰りが見え始めたことも影響しているとみられる。
シャープとホンハイの対立している点を簡単に見てみましょう。
  • シャープは、中小型液晶パネル分野の協業を拒否
  • ホンハイは、中小型液晶パネル分野の協業を拒否
シャープは、ホンハイとの協業を拒否して出資交渉を失敗させたのですから、新たな出資やファイナンスと中小型液晶パネル分野の経営方針を、株主に提示する必要があります。

(6)シャープ堺工場はホンハイにより再建

大型液晶パネルを製造する堺工場(堺市)の共同運営は、鴻海の顧客にパネルを販売することで稼働率が8割程度に改善するなど成果が出ており、この提携は維持する。
シャープ堺工場は、シャープのテレビ事業をホンハイが再建(6)しており、ホンハイの出資も受けています。シャープは主導権を発揮できる立場ではなく、経営能力の差を露呈していますね。

管理人の私見ですが、シャープがホンハイと提携交渉失敗したのであれば、代替案を提示する必要あります。シャープを倒産寸前に追い込んだ片山会長が、提携交渉を潰して、第3社割当増資で株式の希薄化が進むような事態になれば、株主は大きな損失を被りそうですね。

シャープはサムスンとの提携を選択しましたが、その過程を見るとシャープ ホンハイと台湾を裏切り(1)と言われても仕方がないですね。

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6 件のコメント:

  1. ★★(>_<)★★
    やっぱり!予想通りの展開になってきました。
    最初から提携する気があったのかと思われてなりません。
    奥田社長はテリーさんと1回も会っていない?ですよね。
    これでは信用されるはずはありませんよね!

    今回の提携失敗をよしと考える方もいらっしゃるかも
    しれませんが、今後の資金調達や9月までの借金返済
    など客観的に考えたら、次の一手は限定されます。
    シャープは円安、株高の恩恵をあまり受けれていない
    状況で、自力かつ国内マーケットで成果を出さなければ
    立ち直ったとは言えません。
    万が一、アベノ特効薬が税金で投入されるのを待っている
    幹部、社員がシャープにいるとしたら、
    それはもう危険信号で、まるでドラッグ中毒者のようです。
    全国各地の現場から、シャープ復活の狼煙を上げ
    本社のダメ部門(もしかしたら高いお金で雇っている
    コンサル会社)を出し抜く位の行動力を期待します。
    このまま会社、組合の云う通り”待ってる”だけでは
    復活しませんよ!!

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    1. >匿名さん
      こんばんは^^
      的確な、ご指摘深謝です。

      シャープを公的資金で救済していては、金融円滑化期限切れを控えて厳しいですし、大企業優遇批判が生まれると政権運営に支障をきたすかもしれないですね。

      仰るとおり、自力で成果をあげなければ、立ち直ったとは言えないでしょうね。
      倒産寸前の会社が、何の成果もない相談役や会長に、社員をリストラして大金を払う余裕があるのが不思議だなぁって、眺めています。

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    2. Portirlandさん
      おはようございます。
      つい昨夜のニュースでは、みずほG&東京三菱の2行から
      役員各1名を経営再建の為、シャープ受け入れ容認との事。
      「これで安心」と思う社員、投資家はいないと思いますが、
      シャープが生き残るか?解体作業に入るのか?いずれにしても
      大きく動き出します。
      銀行としては、どっちにころんでも損しない戦略を実行します。

      参考URLをお届けします。
      シャープタイトルが結構あります!

      http://kabu.kyokasho.biz/archives/588

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    3. >匿名さん
      こんにちは^_^
      シャープ役員、受け入れたみたいですね^^

      銀行がどうするのか気になりますが、JALスキームになると、債権放棄で泣きを見ることになります。
      そうなると、銀行株主が泣きを見ますが、、、どうなりますかね。。。

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  2. ついに正式破談になりましたね。
    ただサムスン提携でマーケットは
    シャープ応援から⇒シャープ不買(打倒!韓国)の
    空気に変わってきました。

    シャープの経営陣はどうしたいのか?見えませんねヴィジョンが
    アップル、クアルコム、インテル、ホンハイ、そしてサムスン?
    どう見ても片山さんが裏で暴走してるみたい!
    操縦席でスロットル握りしめ
    「金入れろ」「金入れろ」とエヴァ暴走状態?

    最前線で実務に携わっている社員はかわいそうですね。
    山一証券みたいにならなけれが良いですが・・・

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    1. >匿名さん
      こんにちは^^

      仰るとおり、サムスン提携で流れが変わってますよね。
      焼け石に水のような出資金額ですから、すぐに食いつぶす出資金額ですよね。

      最前線の社員は可哀想ですよね。
      情報の開示もフェアじゃないし、日々、シャープは評判を落としているようにも思えます。

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