シャープ株主総会2013内容

シャープ株主総会2013年の内容を見ると、業績悪化や配当金無配の中で、役員の責任を問う声がでていますね。シャープは財務諸表に継続企業の疑義も記載されており、今期の業績が正念場になります。

(1)株主総会2013年の内容

2013年の株主総会は、業績悪化のパナソニックと業績好調のソフトバンクで、大きな違いがあることが分かります。パナソニックの株主総会では、リストラや役員退職金に株主質問がでていますが、ソフトバンクは前向きな内容となっていますね。

ソニーは大株主である、米国投資ファンドが子会社上場の株主提案を行ったことが注目されていましたが、対応を今後も検討するようですね。

(2)シャープ株主総会の会場と出席者数

シャープ株主総会2013内容について、2013年6月25日のマイナビニュースが、【レポート】現経営陣の責任を問う質問が相次ぐ - 過去最長の2時間23分を記録したシャープ株主総会を報じているので見てみましょう。
  1. シャープは2013年6月25日午前10時より、大阪・中之島のグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)で、第119期定時株主総会を開催
  2. シャープの株主総会に1021人の株主が参加 前年の1787人から減少
  3. シャープ当期純損益 5,453億円の赤字
  4. シャープ年間配当金は無配
  5. シャープ参加株主へのお土産が今回は廃止
シャープ株主総会の会場と出席者数を見ると、大赤字に転落したため配当金が無配となっており、お土産もなくなっていますね。シャープの株主は参加者数が大きく減少していますが、郵送やインターネットで議決権行使が行える企業もありますので、出席しなかった株主も多いのではないでしょうか。

(3)2012年度業績の動向

  1. 2012年度は1,462億円の営業赤字、5,453億円の最終赤字
  2. 2012年度下期に226億円の営業黒字
  3. 在庫の適正化、希望退職など固定費の削減によるリストラ
  4. 2013年9月30日に償還期限が訪れる第20回無担保転換社債型新株予約券付社債(転換社債)に関して、自己資金での償還が困難になる懸念
  5. 継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在している」との注記が財務諸表に盛り込み
シャープの最終赤字は、当初赤字予想よりも金額が拡大しましたが、シャープ2013年3月期決算の赤字拡大の理由は、減損損失の過少計上と経営計画の見通しが緩かったからですね。

シャープは財務諸表に注記が盛り込まれていますが、みずほコーポレート銀行および三菱東京UFJ銀行によるシンジゲートローンの継続の内諾、償還資金としての追加資金枠の設定の内諾があるため問題ないとしています。

シンジゲートローンの継続は、みずほコーポレート銀行および三菱東京UFJ銀行の内諾も重要ですが、コベナンツ(財務制限条項)に抵触しないことが、そもそも重要になります。

(4)シャープ株主の質問

  1. 午前10時55分頃から株主の質問
  2. シャープは倒産企業
  3. 液晶事業の失敗の責任
  4. シャープはゾンビ経営と言われている
  5. 経営陣の名前を具体的に挙げて経営不振の責任を追及
シャープ株主の質問を見ると、経営能力のない役員を社内に残す意味について質問があったようですね。シャープの役員人事について、会長や顧問の役割は財界活動と答弁していますが、赤字企業であることや無配の中で、必要性に疑問を持った株主が多かったのではないでしょうか。

(5)シャープの役員報酬

  1. シャープ役員は最高55%の報酬カット
  2. シャープ役員の年収は7割減の削減
  3. シャープ役員の1人あたり平均報酬は1600万円
  4. シャープの退職慰労金はすでに廃止
  5. シャープ奥田社長の退任する理由は、2期連続で巨額な赤字計上
  6. 国内の液晶テレビ市場が前年比50%減と想定外の落ち込み
  7. 2000年からの液晶への投資は間違いではなかった
シャープは役員報酬を引き下げているとしていますが、シャープは大赤字であり多数の社員をリストラしており、配当金も無配ですので当たり前ですね。
パナソニックは高額の役員退職金支給が批判を集めていましたが、シャープは退職慰労金を廃止しているようですね。

シャープは、液晶テレビ市場への投資は間違っていないとしていますが、液晶パネルの外部調達に切り替えている会社もありますので、巨額の設備投資を行った堺工場は失敗と言えそうですね。

(6)シャープの提携交渉と今後

  1. シャープの高橋次期社長 クアルコム、サムスン、鴻海(ホンハイ)グループとの資本提携は、技術提携が前提である。出資は一時金のようなもの
  2. 鴻海との出資交渉 5月以降、郭台銘董事長と、東京と台湾で2回あっている。話し合いの内容は、堺工場の操業をどう確保するのかで出資交渉はしていない
  3. シャープの方志教和専務執行役員 特定の企業(アップル)の変動により影響を受けたが、今後は複数の大手顧客とのアライアンスによって、受注の変動率を抑制し、安定
  4. 大型液晶は2013年度および2014年度はフル稼働の見込み
  5. 中小型液晶は2013年1月~3月には落ち込んだが、スマートフォン、タブレット、ノートPC向けに、今後は高い稼働率を予定
シャープはホンハイと堺工場について話をしているようですが、シャープ堺工場が赤字ですので、操業度確保と黒字確保が焦点になったのではないでしょうか。

シャープの液晶事業ですが、民主党政権による円高ドル安誘導により、競合企業のサムスン電子などとの価格競争に苦しんできました。
シャープは政権交代による為替レート円安ドル高で、海外企業とのドル建て契約も採算改善が見込めますので、液晶事業の業績回復に繋げることができるのか注目ですね。

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2 件のコメント:

  1. 世界的自転車イベントのツール・ド・フランスのガーミン・シャープって云うチームが有りますが...このシャープって日本のシャープなんですってねぇ!ガーミンは、GPS機器をメインにしたメーカーです。その第2スポンサーとして日本のシャープが登場。こんなところで不要な金をバラ撒いてどうするの???確かに、ツールの世界的な観戦者数って凄いんですが...でも、無理があるんじゃないのかなぁって感じがしましたが!

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    1. >Yuzaburo TSUBONEさん
      Yuzaburo TSUBONEさん、こんばんは^^
      情報深謝です。

      シャープ大赤字なのに、自転車イベントにでてるんですか!?シャープには、いろいろと驚くことばかりですが、社員をリストラしながらリッチな企業ですね。

      シャープのイメージアップに貢献してるのでしょうかね?シャープは、不思議な会社ですよね。

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