南山学園デリバティブ損失 原因がひどい

南山学園がデリバティブ取引を、運転資金を用いて清算。229億円の損失を確定したと発表している。外資系金融機関と契約した事が、巨額の損失の原因の一つだ。運転資金で返済すると言うことは余力がないということであろう。

損失の詳細

南山学園がホームページで、11月20日デリバティブ取引契約の解除について、公表している。リーマンショックが原因である旨も記載されているが、その詳細を見てみよう。
契約解除額約59億円を含め、2012年度の損失額合計は約61億円となり、その結果、デリバティブ取引を開始した2005年度から2012年度までの損失額累計は、約229億円となりました。なお、これらの損失は、2008年度以降の新たな取引によるものではありません。
上記をまとめると、以下のようになる。
  • 2008年度までのデリバティブ契約
  • 2005年度から2012年度までの損失累計は約229億円
  • 2012年度の合計損失額は約61億円(契約解除額約59億円を含む)
南山学園は、229億円の損失であると発表した。
簡単に返済したかのように発表しているが、資金的な余裕はなさそうだ。

運転資金で返済

南山学園の発表を見てみよう。
今回の前倒しによるデリバティブ取引に係る契約を解除するための資金として、借入金および運転資金を充当いたしました。
他のマスコミでは、何事もなく発表しているがポイントは二つだ。
  • 借入金
  • 運転資金
返済を借入金で行うということなら分かる。
しかし、運転資金となると、話は別だ。入学金収入や授業料収入があるとは言えど、手元の資産がどの程度あるのか不安が残る。

外資系金融機関と契約

以前、仕組債のデメリットを奈良の事例で紹介した。今回も、仕組債が原因と考えていたが、どうやら違うようだ。時事通信が以下のように報じている。南山学園HPに記載は無い。
南山学園によると、外資系を含む証券会社4社と2005年度以降、通貨スワップや金利スワップと呼ばれる取引を契約していた。(2012/11/20-22:01) 時事通信
ここでも、ポイントは2つだ。
  • 外資系を含む証券会社4社
  • 通貨スワップや金利スワップ
証券会社に、国内証券会社と外資系証券会社がいる。どことどのような契約を締結したのか明らかにすべきではなかろうか

取引のスキームを説明せず HPに記載なし

南山大学の取引内容を見てみよう。

  • 通貨スワップは、輸出取引がないため不要
  • 金利スワップにしても、借入を固定金利にすればいいだけ

通貨スワップと金利スワップにしても、情報開示が不十分である。なぜならば、個別の案件ごとにスキームが違う性質のものだ。

南山学園デリバティブ損失の原因を見てみると、相当ひどい事が分かる。加えて、報道されている内容については、ホームページに記載することが、受験生と在学生への責任ではないだろうか。

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15 件のコメント:

  1. ここはまだ何か重大事実を隠蔽しているよ。
    だって、14日に文部科学省に報告した内容と
    新聞記者に提供した内容が食い違っているらしいから。
    どちらが本物か?
    みんな、どう考える?
    文科省に学校法人が虚偽報告したら罰があるが、
    マスコミを騙しても罰はない。
    こんな状況で学校法人はどんな選択をする。

    虚偽を知りつつ嘘情報を流している理事の何人かは
    明らかに「背任」行為である。
    それを一番知っている人物は、法科大学院の研究科長を
    しているMである。
    法律家であり、学園に損害を与えていることを知りつつ、
    情報隠ぺいに躍起になっている南山学園の癌のM。
    愛知大学の理事長なんて、目じゃないぜ。

    こいつの責任をこれから徹底追及するよ。
    注目してくれ。

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    1. >匿名さん。
      こんにちは^^情報提供深謝です。
      責任追及、注目してます><

      運転資金、突っ込んでるなんて見たら、財務の痛み具合にぞっとするものがあります。

      仰る指摘の部分。『食い違い』の部分がポイントなのでしょうね。

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  2. 南山学園が「資産運用問題総括委員会」報告書を公表しました。

    http://www.nanzan.ac.jp/news/2012/20130125_oshirase.html

    しかし、内容は驚くほどお粗末な代物です。

    形だけの報告書で、委員の過半数が内部の人間というのは異常!

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    返信
    1. >匿名さん。
      報告書ありがとうございます。
      twitterで、拡散しました^^

      複数のデリバティブ取引が絡んでいますが、細かい条件の記載がないですね。
      政権交代による円安で、解約しなければ「数十億円」節約できた可能性があります。

      報告書が分かりにくく作ってあるのは、その問題を煙に巻く目的もあるのかもしれないですね。

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  3. 週刊ダイヤモンドが南山学園の資産運用問題を
    取り上げています。
    法令違反を隠蔽するために「やらせ委員会」を
    設置したのか。

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    返信
    1. >匿名さん
      こんばんは^^返信が少し遅れて申し訳ないです。
      デリバティブ契約は、理事会や理事長などの取締役会議事録か、何らかの意思確認が必要と思います。

      (1)理事長・理事会が分かっててやった
      (2)誰かが暴走してやった

      銀行や証券が処分されてないですから、上記の何れかではないかと、推測します。
      まぁ、お茶を濁したいのが本音なのでしょうが、誰も処分されないようでは、この学校は生まれ変わりを期待できないと思います。

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  4. http://www.nanzan.ac.jp/news/2012/20130225_taioo.pdf

    今日、総括委員会の報告に基づく理事会の対応が公表されました。
    内容は予想通りお茶も濁したもので、甘々な対応です。
    大学は、教員の手当と役員の手当を二重に払っていて、
    役員部分は教員手当に比べてる小さいので、理事たちには
    痛くも痒くもありません。

    これから文部科学省と金融庁が情報交換しながら、
    学校法人の資産運用に対する証券会社の営業をレビューする
    ことになります。
    週刊ダイヤモンドでも指摘された「寄付金」名目の
    資金提供問題は、証券会社にとって致命傷になる可能性も
    あります。

    http://www.nanzan.ac.jp/news/2012/20130225_taioo.pdf

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  5. >匿名さん
    こんばんは^^

    PDF拝読しました。
    解任事由に該当するとなっていますので、大学側は、損失金額の損害賠償を求める義務があるかもしれないですね。

    善管注意義務違反ですから、お茶を濁す対応だけでは、この大学は笑われるだけで、終わるかもしれません。

    週刊ダイヤモンドの内容気になりますね。
    (1)金融ADRに持ち込む
    (2)経営陣に損倍賠償請求

    この2つを並行して進めるのが、学生や受験生に対する当然の行いなのかなぁと、管理人は考えています。

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    返信
    1. レス、ありがとうございます。
      言われる通りだと思います。

      上の2つのことができないなら、状況はさらに悪化し、
      確実に文部科学省の行政処分が行われる可能性が高くなっています。
      とはいえ、2つのことは、まだ内部に残っている自己の責任を
      追及されたくない常務理事たちによって、絶対に行われることは
      ないでしょう。前財務担当理事、前理事長、現理事長以外は、
      全くのお咎めなしです。

      他の常務り理事たちへの処分は、
      『総括委員会報告書は、「前財務担当理事に対する監督が十分でなか
      ったことについて責任がある」と述べているが、既に2009 年10
      月1 日から2011 年3 月31 日までの18 ヶ月間、申し出に基づいて
      役員給与(理事手当)の50%を減額されているため、改めて処分
      は行わないこととした。』で、実質何の処分もなし。
      この手当減額は、秘密のうちに行われたもので、世間に隠れて
      おこなわれていました。問題が大きくなった時の他の常務理事たちの
      「自己保身のための隠し玉」と考えていたらしいです。
      この減額の詳しいことは教職員でも、知らなかったことです。

      週刊ダイヤモンドが、問題点を指摘していますが、今回の対応に
      まったく反映されていないのも、他の常務理事たちの自己保身に
      走ったことの結果でしょう。
      ほんとなら、対応決定を、調査を行った後に行うべきなのに
      急いで公表しています。
      寄付金の存在、未公表の仕組債の存在、やらせの「資産運用問題総括
      委員会」の存在、総括委員会の委員長(学園顧問弁護士兼ロースクール
      教授)と現在の学園の実務的な責任をもっている常務理事(ロースクールの
      研究科長)との関係など、今回の処分を決定されるのに、全く触れていない
      というのは、意図的にこの不都合な真実を隠蔽したとしか言いようがないですね。

      自分の保身のためなら、善管注意義務違反なんて、糞くらえという
      感覚なんでしょうね?法律家のくせに。


      削除
    2. >匿名さん
      こんばんは^^
      詳細な説明、深謝です。

      法学部の教授とか、あんま信用できないですよね。
      狭い、狭い学界の中で、独りよがりの法解釈ばっか考えているのですよね?

      経営のプロでもないですし、世間一般の感覚からもずれており、浄化は期待できないでしょうね^^

      削除
  6. 南山学園の資産運用問題総括委員会に関して新たな問題点が浮上。

    この総括委員会の委員長K(南山学園顧問弁護士)が、南山学園が
    取引金融機関から寄付金を受け取っていたことを知っていながら、
    総括委員会に報告せず、議題にもしなかったことが判明。

    委員長Kは、南山学園常務理事(危機管理担当)M(法学部教授)と
    共謀のうえ、寄付金問題を隠蔽した。
    ついでだが、このMは、Kの法律事務所に所属している。
    この二人の背任行為は重大!

    そのうえ、寄付金をおこなった外資系証券会社のなかに
    前財務担当理事S(元南山大学教授)の教え子の勤務する会社が
    含まれている。
    この証券会社は、取引のピーク時には、南山学園の総資産を
    上回る規模の取引を行っていた。
    収益ベースでは軽く100億円を上回っており、この外資系
    証券会社のCEOがわざわざ南山学園を表敬訪問したほどである。
    そして、この外資の担当者Kの収入は取引期間中で10億円近くに
    なっていた。

    こんな重大事実を意図的に無視して報告書を作成し文部科学省に提出。

    前財務担当理事が縁故者との間で取引を行ったことは重大な問題だが、
    それを隠蔽しようとする顧問弁護士Kと常務理事Mの行為も
    同じように犯罪的である。

    南山学園は法令を守るつもりのない人間の集団なのか?

    顧問弁護士Kと常務理事Mが自ら辞任しない場合、
    決定的な証拠を文部科学省・大臣に提出するしかない
    ないだろうね。




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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      南山学園の貴重な情報深謝です。

      南山学園はドロドロしていますし、委員会担当者のリーガルチェックもできないほど、ダメダメなのですね。
      大学教授も、テレビでかっこいい事を言う前に、足元を見て欲しいものですね。

      削除
  7. 最新情報です。

    南山学園がUBS証券、野村證券を提訴します。
    http://www.nanzan.ac.jp/news/20141016_webhokoku.pdf

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、おはようございます^^
      南山学園が、証券会社の提訴を行ったようですね。

      証券会社が、リスク周知を丁寧に行っていなければ、大学は裁判に勝てる可能性は高いと思います。
      外資系や証券会社のデリバティブは、リスク性の高いものが多くて社会的に問題になっていました。

      裁判の結果、大学生の学費が、値下がることになればいいですね。
      もちろん、南山大学の理事会は、内部統制の強化や浄化が必要になると思います。

      大学教授の中には、立派な高説を経済学で唱える人もいるようですが、足元がぐらついているのは恥ずかしいですよね。

      削除
    2. 南山学園が2月10日、UBS、野村に続き、ドイツ銀行・ドイツ証券を提訴しました。
      https://www.nanzan.ac.jp/news/20150213.html

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