(1)シャープ役員と経営者の悪化
シャープは役員増加により、企業統治が不明確になりました。シャープの提携戦略は明確な方針がなく、出資金額も限定的な金額にとどまっており、最大の出資予定であったホンハイとは出資期限までの資金振込みに失敗しました。シャープは今年度から、銀行役員を受け入れると同時に中期経営計画を策定していますが、一度断った銀行役員受け入れ後に、役員がリストラされるということは、業績悪化の責任をとる必要がでたのでしょうね。
(2)シャープ片山会長の退任で最終調整
シャープ片山会長リストラ理由について、2013年5月5日の読売新聞が、シャープ片山会長、退任へ…奥田社長へ権限集中を報じているので見てみましょう。経営再建中のシャープは、液晶テレビ事業の拡大などを進めた片山幹雄会長(55)が退任する方向で最終調整に入った。シャープは液晶テレビ事業の拡大に失敗して、業績が急激に悪化しましたが、片山会長が経営責任をようやくとる形になるようですね。
(3)片山会長が目的不明の出資交渉を主導
昨年4月に社長を退いた後も、米半導体大手クアルコムや韓国サムスン電子からの出資交渉を主導したが、奥田隆司社長(59)との間で責任の所在が不透明と指摘されていた。シャープ片山会長は、クアルコムやサムスン電子との出資交渉を主導したようですが、出資金額はシャープの赤字金額と比較すると限定的な金額にとどまっています。
シャープのサムスン電子との提携には、優先交渉権が入っているようであり、今後のシャープ経営再建の大きな障害になる可能性があります。
シャープが事業再編のためにあらゆる事業を売却しようとしても、サムスンに対して価格や時期などの情報が、筒抜けになっている可能性が高いですね。
(4)銀行に辞職の意向を示す
実績を踏まえ留任を求める意見もあるが、片山氏はすでに主要行などに辞意を示しており、おおむね了承を得た模様だ。シャープ片山会長は、銀行に対して辞職する意向を伝えたようですが、シャープのガバナンスが複雑であった理由について見てみましょう。
(5)金融機関から退職の要請
シャープの資金繰りを支える金融機関などからも、片山、奥田両氏の「2頭体制」の解消を求める声が出ていた。奥田社長への権限集中を図るため、社長経験者らが就く相談役や特別顧問の職も廃止する方向だ。5月中に正式決定する。シャープの片山会長リストラは、金融機関から指摘について、シャープ役員級にみずほコーポレート銀行出身者の理由を見てみましょう。シャープ片山会長のリストラが、銀行役員受入決定後になっており、銀行の影響力が強まっていることが分かります。
シャープは銀行役員の受入を一度断っていますが、大企業に経営能力のない経営者が経営を続けると、経営悪化が継続することが分かりますね。シャープ奥田社長リストラ理由を見ると、片山会長と同時に退任することで、新しい経営体制になりそうですね。
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