シャープとクアルコムの提携について、日経新聞2013年1月9日11面が、省電力パネルの製品化と省電力パネルの技術について報道しているので見てみましょう。
1年半先に製品化で業績に影響せず
シャープと米半導体大手クアルコムが合意した資本・業務提携で最初の協業内容が明らかになった。2014年7月をめどにスマートフォン(スマホ)向けなどの次世代パネルを製品化する。(日経新聞)シャープとクアルコムの協業内容を見て驚いたのは、その製品化の期日だ。2014年7月というと、まだ1年半以上先であり、来期の業績に売上が反映されるわけではありません。
パネルの開発費26億円を受け取り
シャープはクアルコムからの最大100億円という出資とは別にパネルの開発費で約26億円も受ける。新型パネル技術の実用化を急ぎ、収益力の底上げにつなげる。(日経新聞)シャープとクアルコムの提携は2012年12月に報道されているが、あらたに開発費を受け取る事が報道されています。
シャープは、資金繰りが悪化しており、開発費の受け取りは重要です。ただし金額を見ると、シャープの資金繰りを解決する金額ではないと言えます。
省電力パネルMEMSディスプレーのメリット
両社が開発するのは特殊な微細加工技術を使った「MEMS(メムス)ディスプレー」。カラーフィルターなどを使わないため、液晶パネルより光の透過性が高く消費電力を抑えられる。部材が少ないので製造コストも低減可能。(日経新聞)シャープとクアルコムで開発を発表した、MEMSディスプレーのメリットは、消費電力が少ない事と製造コストが安い事のようですね。シャープのIGZOパネルと、どちらが消費電力が少ないのか気になるところです。
シャープとクアルコムの得意分野
品質を安定させたり量産したりする技術が難しかった。シャープが最新液晶「IGZO(イグゾー)」で培ったパネル技術と、クアルコムの微細加工技術を持ち寄って開発する。(日経新聞)
クアルコムは通信用のチップを開発しており、wikipediaによれば、CDMA携帯電話用チップではほぼ独占に近いマーケットシェアを保持しているようです。つまり、半導体で培った技術があるということでしょう。
クアルコムの見返りは何か
同社は14年7月までに量産技術などを確立してスマホやタブレット端末などに搭載することを目指す。(日経新聞)シャープとクアルコムが開発する省電力パネルですが、量産が2014年7月ということは、1年半以上先であり来期の業績には寄与しない可能性が高いです。
新型パネルは子会社のシャープ米子(鳥取県米子市)でまず量産する。引き合いの動向などをみて本格的な生産はシャープが自社で手掛けるか、他社に委託するかなどを検討する。(日経新聞)管理人が気になるのは、シャープはクアルコムの出資を受け入れていますが、このMEMS(メムス)ディスプレーの買取りなどの条件がついているのかどうかです。クアルコムは、wikipediaによるとファブレスメーカーであり半導体の製造は委託しています。
シャープとクアルコムの提携で、省電力パネルを製品化が発表されましたが、クアルコムの出資と開発費支払の代償が何なのか気になっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿