(1)営業利益は計画以上 単月売上高も順調
シャープの営業利益が計画以上であることについて、2013年1月7日のロイター通信が報じているので見てみましょう。
シャープの奥田隆司社長は7日、2012年10─12月期の営業利益が「計画以上にいっている」とした上で、昨年9月から12月までの4か月間の単月売上高も前年同月を上回ったことを明らかにした。(ロイター)シャープは、2012年第3四半期決算で営業利益が計画以上であることを明らかにしました。シャープは3月決算ですので、第3四半期決算は10月1日から12月31日なので数字が上がってきたのでしょう。
シャープの奥田社長の発言で注目は、単月売上高が回復している点です。シャープの第3四半期決算で売上高と営業利益は比較的よい数字が見込めそうですが、経常損益と最終損益がどうなるのか注目でしょう。
(2)シャープ業績回復の理由
直近の業績では「液晶テレビが若干戻った」ほか、「白物を中心に非常に堅調」と分析。新型液晶についても、多方面から受注が増え始めていると話した。さらに、円安や製造業支援を重視する新政権の発足は「われわれにとっては追い風だと思う」と語った。(ロイター)シャープ取引先からIGZO失速の指摘があり、動向に注目が集まっていました。その後、シャープはIGZOをソニーに販売する事や、他社への販売を発表していますが、販売がいつから始まるのかについては、明確に答えていません。
気になる点は、シャープはアップルにiPadの液晶生産を行っていますが、シャープの技術が突出しているため、解像度を落として性能の低いサムスンに合わせている点です。これでは、シャープのIGZOのよさが生かされるどころか、コスト上昇の一因になっている可能性すらあります。
(3)シャープの自己資本比率は急速に低下
シャープの13年3月期の最終損益は4500億円の赤字(前期は3760億円の赤字)と、2期連続で巨額赤字を計上する見通し。12年9月末時点の自己資本比率は9.9%で、12年3月期末時点の23.9%から大きく落ち込んでおり、財務体質を強化する必要に迫られている。(ロイター)シャープの業績で注目すべきは、自己資本比率の低下です。シャープは業績の悪化により、自己資本比率は半年間で半分以下に低下しており、14%も減少しています。そのため、シャープは何らかの方法で資本増強を行う必要に迫られています。
(4)資本増強は検討中、発表は2月か
奥田社長資本増強を示唆
奥田社長は資本増強について「いろんな手段、方法論がある」と述べた上で、「希薄化の問題とか、いろんなことも考え合わせながら、最適なオプションというものを考えていきたい」と話した。(ロイター)シャープ増資の中身について、銀行株も影響を受ける内容を、読売新聞がすでに報道しています。
銀行にも資本増強は影響の可能性あり
増資に加え、普通株ではないが、自己資本とみなすことができる劣後ローンや優先株などを組み合わせることで、主力行も信用補完する方向だ。(読売新聞)
シャープは2月にも発表する中期経営計画に盛り込む方針だ。(読売新聞)シャープ資本増強報道を否定するプレスリリースを発表していますが、もしもDDSやDESを指しているのであれば負債の減少により自己資本比率は改善しても、手元現金は増加しません。
シャープは2月に発表の中期経営計画で発表を計画しているようですので、2012年第3四半期の業績は売上と営業利益が好調だとしても気が抜けないのではないでしょうか。
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