シャープレノボと提携

シャープがレノボと提携を発表しました。シャープの中国南京工場は、ホンハイとの売却交渉が難航しており、再建計画の達成が危ぶまれていました。シャープはレノボと提携を発表しましたが、技術流出も気になるところですね。

ホンハイ(鴻海)に海外テレビ工場売却が難航

シャープは経営再建のために、テレビ事業のうち海外テレビ工場の売却を発表していました。シャープの工場売却は、シャープ堺工場に出資と再建の実績があるホンハイに期待が集まっていました。

シャープの報道では、海外の3つの工場はホンハイに売却する可能性が高いと報道がありました。しかし、シャープの南京工場はホンハイに売却交渉難航している事が続報で伝えられています。

シャープの南京工場は、レノボに売却する最終調整が行われていると、2013年1月17日の日経新聞1面が報じています。

シャープとレノボが提携交渉

シャープは中国のパソコン最大手、レノボ・グループ（聯想集団）とテレビ事業で提携する方向で最終調整に入った。中国南京市にある液晶テレビ工場をレノボに売却したうえで、中国向けテレビの開発・販売で合弁事業を始める。

経営再建中のシャープは資産圧縮を進めつつ、中国に販売網を持つレノボと組むことでテレビを拡販。日本の液晶パネル工場の稼働率向上につなげる。

シャープとレノボがテレビ事業の提携を発表しました。シャープ提携のポイントをまとめると、以下のようになります。

レノボとテレビ事業提携で調整
シャープの液晶テレビ工場を売却
レノボの中国販売網を活用して、日本の液晶パネル工場の稼働率向上

シャープとレノボの出資関係について見てみましょう。

開発と販売の子会社は折半出資

シャープはテレビ工場の運営子会社、南京夏普電子(江蘇省)の全株式を年内にレノボに売る。開発と販売をそれぞれ手がける子会社に、レノボから出資を受け合弁事業に切り替える。折半出資とする方向で、月内にも覚書を交わす。

シャープとレノボが交渉中の出資関係について見てみましょう。

開発シャープの子会社に、レノボから出資を受け合弁事業に切り替え
製造シャープはテレビ工場の運営子会社、南京夏普電子の全株式を年内
販売シャープの子会社に、レノボから出資を受け合弁事業に切り替え

シャープはテレビ製造工場の子会社は、全株式を売却。販売と開発については、シャープとレノボが合弁事業で取り組むようですね。

亀山第2工場と堺工場からパネル供給

販売するテレビのブランドは引き続き「シャープ・アクオス」とする。将来は東南アジアや中南米なども共同で開拓する方針。パネルはシャープの亀山第2工場(三重県亀山市)や堺工場(堺市)から供給する。レノボはシャープと協業しテレビ事業に本格参入する。

中国の工場のパネルは、日本の工場から出荷するようです。

シャープの亀山第2工場は、iPhone5向けのパネル以外のIGZOパネルなどの生産が報じられていますが、工場稼働率をあげることが銀行との約束になっています。シャープとレノボの提携により、稼働率がどの程度上昇するのかがポイントになりそうですね。

シャープの堺工場は、ホンハイが出資後再建に成功しました。ホンハイは、自社のテレビを製造して中国で数千店舗を展開し販売する事を検討しており、今回の提携がホンハイとの関係に与える影響が気になります。

マレーシア工場は台湾企業に売却交渉

海外のテレビ組み立て拠点のうち、マレーシア工場は電子機器の受託製造サービス(EMS)大手、台湾・緯創資通と売却交渉を進めている。

シャープは、海外3工場の売却交渉をホンハイと行ってきましたが、まとめると以下のようになる模様です。

メキシコ工場ホンハイに売却
中国南京工場レノボに売却
マレーシア工場台湾の緯創資通と売却交渉

シャープの南京工場は、レノボに売却が報道されていましたが、マレーシア工場の売却交渉中の相手が伝えられており、今後の展開に注目ではないでしょうか。

シャープ工場売却の売却価格

南京とマレーシア工場の売却額は計300億円前後になるとみられる。

シャープのテレビ海外3工場を、シャープがホンハイに工場売却か報道されたときに売却価格は550億円を想定していると報道されていました。シャープは工場の売却益を財務改善にあてることを想定しており、売却価格が想定どおりになりそうなのか決算発表のポイントになりそうです。(続く)