シャープ サムスンに液晶パネル供給(2)

シャープは、サムスンからの出資受け入れを発表しました。シャープはサムソンに液晶パネルの供給を行えば亀山工場の稼働率を向上させることができます。シャープ亀山工場の稼働率が向上すれば、決算で減損損失計上を回避することができますので、サムスン提携の大きな目的ではないでしょうか。

(1)シャープ液晶パネル稼働率向上見込み

サムスン、シャープ出資報道のリーク(1)についてまとめましたが、シャープがサムスンに液晶パネル供給することを、2013年3月6日の日本経済新聞3面が報じているので見てみましょう。
シャープがサムスンから資本を受け入れることで、液晶パネルの安定供給には一定のメドが立った。低迷が続く亀山工場の稼働率は向上が見込めるようになり、当面の経営課題はしのいだ。
シャープは、液晶パネルの安定供給が、サムスンからの資本受入れの理由となっていますが、その理由は液晶テレビ事業に共通する問題があります。

(2)シャープ、パナソニック、ソニーは減損損失により赤字計上

シャープ、パナソニック、ソニーの大手3社の決算赤字の理由は、液晶パネル工場などの稼働率低下による減損損失が原因です。シャープがサムスンからの出資を受け入れた理由は、液晶パネル取引の拡大による、亀山工場の減損損失回避が目的の一つでしょうね。

(3)シャープ亀山工場の減産、アップルとの取引

シャープが亀山工場の稼働率向上が経営課題となっていた理由は、アップルのiPhone5やiPad向けの取引が低迷しているからです。

シャープは、アップルが減産の経営方針を打ち出したことにより、亀山工場の稼働率が低下しており減損損失計上の可能性もありました。

(4)シャープは亀山工場の減損損失を回避

  • シャープ自己資本が少なく損失計上の余裕がない
  • シャープの亀山工場は稼働率低下で減損損失計上の危機
  • シャープはサムスンとの提携により、亀山工場の稼働率を向上させ、減損損失を回避
  • シャープのパネル販売価格は不明
減損損失は、工場稼働率が一定の割合未満に低下した場合、割合に応じて損失を計上します。シャープなどの大企業の場合、工場に多額の設備投資を行いますので、減損損失も多額になります

(5)サムスン向け取引で利益は見込めるのか

シャープは自己資本に余裕がないため、サムスンとの提携により亀山工場の稼働率向上は、減損損失を回避するために行われたのではないでしょうか。シャープは、亀山工場の稼働率が向上しましたが、亀山工場のパネルが利益に貢献するのかは別問題です。

シャープがサムスンに液晶パネル販売量を増やしたとしても、利益が見込めなければ、サムスンの下請けになることを選んだ可能性がありますね。シャープ サムスン提携と自己資本不安(3)に続く。

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