パナソニック デジタル家電と白物家電が逆転
上記の画像は、日経新聞2012年12月26日2面のものです。この逆転について、パナソニック白物家電が利益の6割と大半を占めた事で紹介しました。パナソニックは13年3月期に白物家電の売上高が1兆5400億円となり、AV家電(1兆4100億円)を逆転する見通し。 (日経新聞)パナソニックの白物家電は、パナソニックの営業利益を支えるだけでなく、売上高も逆転する見通しであることが報道されています。
デジタル家電の落ち込みは、地デジの駆け込み需要で、テレビなどの国内出荷額は、2010年からに一時的に急増したものの、需要の先食いによる反動で大幅に下落した事が原因です。
シャープ赤字はデジタル家電への投資失敗
では、この結果がシャープにどういった影響を与えたのかについて考えてみたいと思います。デジタル家電、特にシャープ赤字の原因は、液晶テレビ事業への過大投資です。液晶テレビ、液晶パネル向上を立ち上げたものの、工場稼働率が低下した事や、在庫の液晶パネルなどの評価損により、大赤字に転落しています。
シャープの業績とデジタル家電の市場動向
では、シャープの連結業績の推移について見てみましょう。
13/3(予)となっているのは、2013年3月期決算を表しており、2012年4月から2013年3月までの期間の業績推移を表しています。
13/3(予)となっているのは、2013年3月期決算を表しており、2012年4月から2013年3月までの期間の業績推移を表しています。
比較のために冒頭の、デジタル家電市場の動向についての画像を見てみましょう。
シャープの売上が最大であるのは、11/3ですが、これは2011年3月期決算を表しており、2010年4月から2011年3月までの期間の業績推移です。
デジタル家電の国内出荷額が下落するのと、シャープの損失が拡大している事に、一定の関係がある事が分かると思います。
減損損失の計上の理由
シャープ赤字の原因は、液晶テレビ事業への過大投資である点について、もう少し細かく説明します。簿価が1千億円の工場のケースでは、将来見込めるCF合計額が1千億円を下回ると、投資回収は困難と判断される。この場合、工場は含み損を抱えていることになり、減損損失を計上しなければならない。(産経新聞)デジタル家電の国内出荷額を見る限り、その市場全体が大幅に下落していることが分かります。シャープの液晶パネル事業は、減損損失計上の対象になり、赤字計上の原因になった背景の一つですね。
シャープは白物家電の売上が少ない
朝日新聞より
パナソニックは白物家電が柱に
パナソニックは、薄型テレビを中心としたデジタル家電の失速に対して、白物家電事業が今期の営業利益の柱になると発表しています。内容を見ると、冒頭に示したように、売上高で見ても白物家電がデジタル家電を上回る想定となっています。
シャープは白物家電が弱い
では、シャープの白物家電は、デジタル家電の代替になり得るか見てみると、期待できないのが実情です。2012年3月期のシャープの主要事業売上高を見ると、AV・通信機器事業と液晶事業が、売上高の半分以上を占めている事が分かります。シャープとパナソニックの太陽光事業の違い
シャープは太陽電池事業が有名ですが、残念ながら最終損益は赤字です。パナソニックは太陽光の海外重視を発表したが、問題点はあるが、黒字という点が大きく違います。昨年度、各社の太陽電池事業は死屍累々で、国内1位のシャープが219億円の営業赤字を計上。ソーラーフロンティアが同288億円、京セラが同21億円と不振が際立った。120億円の黒字を確保したパナソニックは例外だ。(週刊ダイヤモンド)シャープにとって、太陽光事業はデジタル家電の代替にならないうえに、赤字です。黒字のうちに、投資規模のコントロールをはじめた、パナソニックとの差は大きいのではないでしょうか。
デジタル家電の現状と今後について、シャープとパナソニックがどう対応できそうなのか、簡単に見てきました。両社の個別事業には、かなりの違いがある事が、分かるのではないでしょうか。
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