シャープが液晶テレビの完全再利用の技術を開発したと、2012年12月26日の日本経済新聞1面が報道している。管理人の私見では、日経の1面に掲載するような内容か少し疑問が湧いたが、廃棄物ビジネスの将来性を見出したということなのだろうか。
液晶パネルを高機能素材に再生
シャープは使用済みの液晶テレビの完全リサイクルにメドをつけた。これまで再資源化が難しかった液晶パネルを高機能素材に再生する技術を開発した。(日経新聞)
この素材を販売することでリサイクルにかかるコストを削減でき、消費者にとっては廃棄時に支払う費用の軽減につながる。買い替えなどで廃棄される液晶テレビが急増するとみられる2015年度にも実用化する方針だ。(日経新聞)シャープが、液晶パネルの再生技術を開発したと日経新聞が報じられている。シャープ倒産の可能性は銀行との約束を果たせるのかどうかに、かかっているが、その内容は大口販売先の確保だ。
報道を見ると、2015年に実用化となっており、直近の決算に影響はなさそうだ。当面は、収益に貢献する事はなさそうだ。
リサイクルの採算向上 消費者負担が減少か
液晶テレビは家電リサイクル法の対象で、消費者が負担する費用を負担、回収や再資源化に使っている。(日経新聞)
液晶テレビのリサイクル料金は16インチ以上で2800円程度。液晶パネルのガラスを売却できれば、リサイクルの採算が改善する。シャープは他の家電メーカーへの技術供与も視野に入れている。(日経新聞)液晶テレビは全て16インチ以上と仮定して計算すると、実用化する2015年は、販売台数は260万台、リサイクル料金2800円と仮定すると、70億円前後のビジネスになるのであろうか。
上記は、管理人の推測であり残念ながら、この報道だけではよく分からない。あくまで私見であるが、シャープがどれ位の金額の市場規模を見込んでいるのか、気になる所だ。
大阪府立大学と共同開発
シャープはこのほど大阪府立大学と、粉砕したガラスをアルカリ溶液中で反応させて水中の汚濁物質などを吸着するゼオライトにする技術を開発。(日経新聞)
ゼオライトは土壌改良材などにも利用され安定した需要が見込める。(日経新聞)報道を見る限り、有望そうな技術に見えるが、コストが分からないと判断のしようがないかもしれない。実用化したときに、国が採用を働きかけるなどの話があるのか気になるところだ。
液晶テレビの廃棄台数が激増
パネルのガラスはこれまで保護フィルムなどと一体になっていたりするため、リサイクルが困難とされてきた。だが11年度に業界推計で60万台だった液晶テレビの廃棄台数は15年度に260万台、20年度には500万台に増える見通しだ。(日経新聞)どうやら、液晶テレビの再利用の市場規模は拡大する見通しのようだ。テレビの耐用年数を仮に10年とすると、液晶テレビはここ数年で急速に普及しており、廃棄台数の増加に時間差がでるのは間違いなさそうだ。
リサイクルの採算悪化に歯止めか
家電各社は現在、解体後のパネルのガラスをセメント原料向けなどとしてリサイクル会社にほぼ無償で提供しているか、料金を払って廃棄処分している。現状のまま廃棄台数が増えれば、リサイクルの採算が悪化しかねなかった。(日経新聞)家電各社は、ほぼ無償か料金を払って廃棄処分を行っているようだ。シャープの新しい技術により、ゼオライトとして、販売できるのであればよいかもしれない。
ただし、企業にとってはコスト面が気になる所だ。投資家にとっても、この技術を判断する為に、採算性が一つの要因となるであろうが、いまいちその点が分からない。
シャープが、液晶テレビを完全リサイクルする手法を開発したが、採算性によっては、有望な可能性を秘めていそうだ。
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