(1)シャープ銀行融資報道のポイント
シャープに対する、みずほコーポレート銀行と三菱UFJ銀行以外の銀行が融資を行う可能性について、昨年末にすでに報道されていました。シャープに対する、りそな銀行などが実行する融資報道の注意点は、このときに指摘した点と基本的に同じです。
(2)みずほ銀行と三菱UFJ銀行系列の信託銀行の融資と担保付の融資
シャープ りそな銀行など300億円融資の真相について、2013年3月13日の産経新聞が報じているので見てみましょう。経営再建中のシャープに対し、みずほ信託銀行と三菱UFJ信託銀行、りそな銀行の3行が、総額約300億円を融資する方針を固めたことが13日、分かった。今週中にも融資を実行する。シャープに対して、みずほコーポレート銀行と三菱UFJ銀行以外の3行が、300億円の融資実行を行うことが報じられていますので、銀行について見てみましょう。
(3)メガバンクのグループ企業中心の担保付融資の肩代わりだけ
- みずほ信託銀行 みずほフィナンシャル・グループ
- 三菱UFJ信託銀行 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- りなそ銀行
シャープに融資を行う3行は、担保付の融資を肩代わりするだけで、シャープの手元資金は増えず、資金繰りの問題は何も進展しないことが分かります。
(4)シャープに無担保融資は決断できず
みずほ信託など3行の融資額は、それぞれ約100億円とみられる。主力2行が昨年9月末に決定した総額3600億円の既存融資の一部を、肩代わりする形で貸し付ける。主力2行が設定した担保も引き継ぎ、融資が焦げ付くリスクを減らす。シャープに、りそな銀行など3行が融資を行いましたが、事実上、無担保融資はすでに行えない状況であることが分かると思います。
金融グループで見ると、みずほフィナンシャル・グループと三菱UFJフィナンシャル・グループは、3600億円のうち100億円を、りそなグループが肩代わりしていますが、大勢は変わりません。
(5)融資金額の減額と手元資金は増加せず
円安などをうけ、シャープの業績に改善の兆しが見え始めたことから、支援融資の引き受けを決めた。みずほ信託など3行は主力2行の要請を受け、昨年暮れから最大400億円の融資を検討していた。シャープに対して、りそな銀行などは400億円の融資を検討していましたので、融資金額を減額していることが分かります。
シャープの格付が低下している理由の一つに、短期有担保借入の増加が指摘されていましたが、何も改善しておらず格付けの改善には、ほとんど結びつきません。
シャープはりそな銀行から300億円融資を受けますが、手元資金に変動はなく、どのようにして資本を充実するのか、経営陣は説明が求められそうですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿