(1)シャープの経営悪化と情報開示姿勢
シャープ銀行役員を受入調整の理由で、2012年夏ごろに銀行が幹部派遣を打診しましたが、シャープが断ったことを説明しました。シャープは銀行役員を受け入れずに、経営再建を行おうとしましたが、経営陣の意思決定権が不透明なこと、不自然な情報リークが相次ぐなど迷走が続いています。(2)シャープ役員級を主力取引銀行から受け入れ
シャープ役員級にみずほコーポレート銀行出身者を受け入れることについて、2013年3月26日の日経新聞13面が報じているので見てみましょう。経営再建中のシャープの役員級に主取引銀行のみずほコーポレート銀行出身で東京建物常務の藤本聡氏が就任する見通しになった。シャープは役員級に、みずほコーポレート銀行出身者を受け入れるようですね。シャープは4月から設置される構造改革実行本部の副本部長として、受け入れたとする一部報道もありますね。
(3)藤本聡氏の経歴
- 昭和55年4月 ㈱富士銀行入行
- 平成16年5月 ㈱みずほコーポレート銀行企業第一部長兼企業第三部長
- 平成17年10月 同行企業推進第三部長
- 平成19年4月 同行金融・公共法人管理部長
- 平成20年4月 同行執行役員営業第二部長
- 平成22年4月 同行常務執行役員営業担当役員
- 平成24年3月 東京建物常務取締役財務部・経理部・事務サービス部担当兼財務部長
東京建物は、代表取締役社長の佐久間一、代表取締役専務取締役の猿田明里が、みずほコーポレート銀行の母体の一つである富士銀行出身者ですね。
(4)中期計画と資本増強
シャープは現在、中期計画をまとめており、みずほは計画の策定と実施を支援する。 藤本氏は28日付で東京建物常務を退任する。シャープは中期計画で資本増強と経営再建策について、何らかの説明をする必要がある財務状態であると言えます。
シャープの財務や借入に関心のある方は、上記をご参照。シャープは、資本を充実させる必要がありますが、公募増資は株価が低迷しており、1株当たり資産の減少で既存株主に悪い影響が大きいです。
シャープが資本を充実させる方法として、借入を資本に変更するDESもありますが、銀行の同意が不可欠になりますので、シャープは難しい財務状況であることが分かります。
(5)三菱東京UFJ銀行もシャープに幹部を派遣
銀行時代は大手建設会社の再建などに携わった。三菱東京UFJ銀行もシャープに幹部を派遣する方向で調整している。シャープに、三菱東京UFJ銀行も幹部を派遣する方向で調整が進んでいるようですが、中期経営計画策定に携わるのではないでしょうか。
(6)シャープに取締役就任は初
両行はシャープの部長級に数人ずつ人材を送っているが、取締役に就けば初めてとなる。シャープは、みずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行から部長級を受け入れているようですが、取締役は初のようですね。
シャープは経営再建に向けて、増資などの難しい判断を迫られる局面をむかえるのではないでしょうか。シャープが銀行から役員を受け入れることは、取締役会の内容を銀行に公開することを意味するかもしれないですね。シャープ片山会長リストラ理由を見ると、銀行の影響力が強まったことが理由としてありそうですね。
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