(1)シャープ亀山工場とアップルの出資
シャープの亀山工場は、日本のものづくりの象徴であるイメージがありますが、アップルが約1000億円出資しており、生産設備はアップル保有のものが含まれています。シャープは格付けが低下すると、アップルに出資金を払い戻す契約条項がありましたが、返済しておらず契約違反が続いています。
シャープは、格付けが投機的水準になっていますので、返済義務があると管理人は推測していますが、ビジネスにおける交渉力と言うよりも、返済するお金がないようですね。
(2)亀山工場稼働率低下は2012年12月中旬に確定
それでも注文があるうちはまだよかった。安く買い叩かれようと、不具合やトラブルで休日に呼び出されようとも、工場は生産ラインが動いてさえいれば生きていける。
しかし、クリスマス商戦も真っただ中の昨年12月中旬、アップルから送られてきた1通のメールを見たシャープの経営幹部は凍り付いた。そこには液晶パネルの発注を年明けから激減させるという内容が書かれていたからだ。シャープの亀山工場稼働率低下は、昨年末から指摘されていましたが、2012年12月中旬にアップルから連絡があり、すでに確定していたようですね。
シャープは経営危機にあり、何らかの形で投資家や利害関係者にアナウンスすべき内容ですが、いまだに告知されていません。シャープは情報開示よりも、減損損失を回避するための提携交渉を優先したということですね。
(3)アップルに契約上の責任はない
「何とか、別の商品を作らせてもらう訳にはいかないでしょうか」シャープの液晶担当幹部は1月上旬、米国カリフォルニア州クパチーノにあるアップル本社に飛んで、担当幹部に直談判した。しかしアップルに契約上の責任は一切なかった。
「逆にシャープの出荷価格が適正なのか、監査をやりましょうとねじ込まれた」(関係者)シャープとアップルは、亀山第一工場液晶パネルの独占供給の契約に加えて、アップルが約1000億円の出資を行っていたため、契約上の責任がないのは、当然なのかもしれないですね。
(4)亀山工場は毎月100億円近いコスト発生
かくして、アップル専用工場となっていた亀山第1工場は、この日、新しい材料の投入を止めた。後に残ったのは、シャープが負担する毎月100億円近い建屋、設備、人件費などのコストだけだった。シャープの亀山第1工場は、生産停止により毎月100億円の費用が発生するようですね。シャープが、工場稼働率を高めることができない場合、利益を生まず費用だけが発生しますので、業績悪化に直結します。
シャープが、2012年度決算発表で、亀山工場の減価償却費や稼働率について、資料の配布や説明を行うのが注目ですね。
(5)世界の亀山工場はアップルの下請けに
数年前まで、「世界の亀山」ともてはやされた姿は、もう残っていなかった。アップルは日本のものづくりの象徴を制圧したのだった。シャープ液晶パネル生産の主力工場である亀山工場は、アップルの下請け工場になっていることが分かりますね。
シャープiPhone液晶生産費用と隠蔽の真相を見ると、アップルの下請けとなった事実に加えて、上場企業として必要な情報開示を行わない、隠蔽体質が浮き彫りになりますね。iPhone廉価版部品はシャープ液晶パネルか(10)に続く。
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