(1)シャープの自己資本不足と増資
シャープ株価と資本増強策(2)を見ると、シャープが再生に向けて一見順調であるかのように名実はそうではないようですね。しかし、シャープが駆け上がろうとする再生への階段は、ガラスのような脆さを抱えている。中期経営計画は、シャープの命運を左右するものだ。昨年12月末に自己資本比率は9%台に落ち込み、資金は逼迫。赤字事業のリストラ対策と成長軸を打ち出せないと、来期の最終黒字という公約も果たせない。ところが。シャープは自己資本比率が赤字により大きく減少していますが、隠れ債務の存在により、一層大きく減少します。
シャープは増資が必要ですが、そのためには来期の経営計画の策定と目標を達成することで株式市場の評価を得ることが不可欠ですが、財務部門は弱いようですね。
(2)シャープ財務部門のドンブリ勘定
「信じられないようなドンブリ勘定。こんな数字で計画を作っていいのか」
主力銀行の行員は、売上高やキャッシュなど再生のベースになる財務資産を、ゼロベースでやり直している最中だという衝撃の事実を明かした。シャープは東証一部上場企業ですが、おそらくみずほコーポレート銀行か、三菱東京UFJ銀行の銀行員に、ドンブリ勘定であると指摘されているようですね。
シャープの財務資産をゼロベースでやり直しているという意味は、シャープ社員が報告している財務資産がまったく根拠がなかった可能性があることを示唆しています。
シャープは銀行から役員の受け入れにより経営再建を行っていますが、シャープLIXILに出資要請を見ると年金債務が経営課題となっています。シャープは年金債務引当が不足していますので、増資に成功しなければ過少資本となる可能性が高いですね。
(3)収益見通しが立たない
日々、事業部から上がってくる目標値には根拠が乏しく、双方でピンポン球を延々と打ち合うような修正作業が繰り返されている。「商品の受注計画に願望が混じっており、トップラインの見通しがまるで立たない」と、この行員はストレスを募らせる。
シャープは過去、社外向けに中期経営計画を作ったことがないのも一因だ。シャープは経営計画を策定中ですが、トップラインの見通しが立たないということは、収益の数字が計画できる見通しが立っていないということを意味します。
シャープの2012年度決算予想と、実績値は大きく乖離していましたが、社員に悪意があったわけではなく、経営計画を作る能力がなかったため突然の大赤字になった可能性が高そうですね。
シャープの減損損失拡大が、シャープ2013年3月期決算の赤字拡大の理由ですが、工場稼働率低迷を見込むように修正したことが赤字拡大の原因の可能性がありますね。
(4)為替相場の円安による業績悪化懸念
さらに、急速に円安に触れている為替相場が、その計画をいっそう脆いものにしている。「稼ぎ頭が、来年度には赤字になるかもしれない」あるシャープ関係者は、会社の屋台骨を支える白物家電の利益が目減りしている実情を危惧する。シャープは円安により、白物家電の利益が目減りするといった悪い影響がでているようですね。
ソニーやパナソニックは海外売上比率が高いため、円安による増益が見込めます。シャープは稼ぎ頭の部門が円安により、来年度赤字になる可能性があるようですが、その理由について見てみましょう。シャープ為替円安で業績悪化の事業(4)に続く。
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