(1)サムスン提携と鴻海精密工業を裏切り
シャープ提携の成果について、2013年4月27日の東洋経済が報じているので見てみましょう。
1年前の高揚がウソのようである。
3月上旬ある日、台湾・鴻海精密工業の郭台銘董事長が、都内でシャープの主力行幹部に愚痴をこぼしていた。鴻海の宿敵である韓国サムスン電子とシャープの提携を知った直後である。シャープ ホンハイと台湾を裏切り(1)で、鴻海精密工業はみずほコーポレート銀行での会談で、サムスンと提携を結んだことについて怒っていたようですね。
シャープは、鴻海精密工業と交渉を進めつつ、サムスンとの提携を決めていますので、ビジネス上は交渉上手と誠実さを感じないと指摘する両者がいそうですね。
(2)液晶事業と鴻海精密工業との提携交渉
鴻海とシャープは昨年3月に鴻海が669億円を出資することで合意していた。アイフォーン5が発売される直前である。アップルと密月関係である鴻海との連帯は、シャープのアップル向け液晶事業にとってプラスだと市場は好感した。
だがその後、シャープの業態が急激に悪化し、出資条件をめぐって交渉が決裂。今年の3月末にようやく両社の首脳が会談したっものの結論は出ず、出資は白紙となった。シャープは液晶事業の設備投資失敗による巨額の赤字が、鴻海精密工業との提携交渉を行った理由でした。
シャープ赤字の原因は、液晶事業の巨額投資失敗による減損損失でしたが、堺工場を切り離しており、鴻海精密工業の主導で赤字圧縮と稼働率向上に成功しています。
シャープと鴻海精密工業の提携交渉は、その後、成果がほとんどあがらず、提携交渉は失敗に終わっています。
(3)シャープの資金繰りが悪化
この1年、資金繰りに窮したシャープは戦略なき外交を繰り広げてきた。アップル、サムスン、クアルコム、インテル…。だが成果はサムスン、クアルコムからわずかにカネが入った程度。核となるべき液晶事業はむしろ混迷を深めている。シャープの資金繰り悪化は、格付けが投機的水準となったことで、CPの調達が不可能になったことから始まりました。シャープは銀行融資により、一息つきましたが、転換社債の調達資金をどうするのか厳しい資金繰りが続いていますね。
(4)亀山工場のアップル向け液晶パネルが生産激減
年が明けて数週間後、三重の亀山第1工場でアイフォーン5用パネルの生産量が急激に減った。アップルが約1000億円を投じて設備を導入した亀山第1は、アイフォーン用パネルの専用工場である。シャープの亀山工場は、世界の亀山工場として宣伝をしてきましたが、下請け工場になっていることが分かりますね。
シャープの亀山工場は、アップルの設備投資で成り立っており、シャープの格付け悪化で所有権の移転や違約金など、どういったリスクがあるのか開示すべきですね。
(5)iPhone5の販売不調
「9月の発売直後はアップルにそうとうハッパをかけられた。だが売り時であるはずの昨年末ごろから一気にトーンダウンした」(シャープ関係者)アイフォーン5はアップルの想定に比べ売られていない。3月、4月と亀山第1は「ガラガラ」(同)
フル稼動を期待していたシャープにとってはつらい状況となった。アップルのiPhone5は世界有数のヒット商品ですが、期待値が高かった分、当初想定よりも販売台数は届いていなかったようですね。シャープ アップル製品の受注失敗(2)に続く。
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