(1)提携交渉で株価引き上げ
シャープ為替円安で業績悪化の事業(4)を見ると、片山会長が代表権を返上しましたが、提携交渉の過程で株価が回復しています。ところが、昨年7月に奥田社長から液晶事業を委任されると、海外メーカーとのゲリラ的な交渉に奔走して、手品師のマジックのごとく株価を引き上げていった。シャープの信用力低下により、シャープ倒産扱い CDS暴騰 転換社債暴落していました。シャープはその後、株価は一時300円を超える水準まで回復、2013年4月2日の終値は261円に下落していますが、150円前後の株価からは回復しています。
(2)シャープ従業員持ち株会とリストラの評価
「世界で通用する交渉力を持っているのはさすが」
「巨額赤字で引責辞任した経営者が、まだ責任を取らずにいる」
社員たちの間でも5000人近い社員がリストラによって去っていったというつらい事実もあり、片山会長への評価は真っ二つに割れている。シャープ社員の片山会長に対する評価が割れているようですが、5000人もの社員と倒産寸前の経営失敗を考えると、経営陣に復帰することが異常事態と言えます。
片山会長が他社と提携交渉を成功させたことが一因となって、シャープ株価が底値から2倍以上になっていますので、持ち株会制度がある事を考えると社内の支持は高まるのかもしれないですね。
(3)シャープは役員の世代交代が進まず
そして、18年前まで社長だった辻晴雄特別顧問も、頻繁に出社しては経営幹部との意見交換を実施。人望はあるものの、「またボスが一人増えてしまった」と、混乱に拍車がかかると懸念の声が上がる。シャープは、引退したはずの役員が出社しており世代交代がなかなか進まない上に、経営陣の数が増加していることが混乱の一因ですね。
- シャープ3代目社長 辻晴雄特別顧問
- シャープ4代目社長 町田勝彦相談役
- シャープ5代目社長 片山幹雄会長
- シャープ6代目社長 奥田隆司社長
(4)銀行が片山会長の権限強化を後押し
かくして、主力銀行もガバナンスの問題に手を付けざるを得ないと判断するようになる。「社内で不協和音が広がるのは困る」としながらも、主力銀行は5月連休明けに片山会長に執行役の権限を戻す後押しを始めた。シャープの片山会長の権限強化を銀行が後押ししているようですが、管理人の私見では会社が倒産危機になるほど失敗した経営者が復帰するのは、違和感を感じますね。
シャープ片山会長リストラ理由を見ると、銀行が権限を戻す後押しをしていたというのは、ダイヤモンドに情報リークした人物の希望の可能性がありますね。
シャープの提携は、業務内容や出資金額が中途半端な内容が多いうえに、サムスンやクアルコムなどとの隠れた契約条項が分かりにくいからです。
(5)町田相談役と辻特別顧問が引退するのか注目
なぜなら片山会長のマジックは、銀行側の考える再生シナリオに不可欠だからだ。一方で、町田相談役、辻特別顧問をめぐっては3月末で経営から退くことを強く求めている。経営首脳をめぐる人事は、これからさらに一波乱ありそうだ。シャープは大赤字により、自己資本比率が大幅に低下しており、引退した役員に無駄な経費を使う余力はないはずです。パナソニックやソニーも、シャープと同様に、現在の業績悪化を作り出している役員がいたことは、同様のようですね。
シャープ経営再建の本気度は、経営陣増加で混乱した現状を、役員リストラで再生できるのかが、4月の焦点になりそうですね。シャープ サムスン提携の今後 真相は毒薬条項(6)に続く。
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