(1)利益率の高い事業は生産拠点を海外に移転
シャープ決算予想 銀行員とドンブリ勘定の真相(3)を見ると、シャープの決算予想には希望的観測が混じっているようですね。シャープは為替円安で、業績悪化の可能性が示唆されているので見てみましょうヒット商品のプラズマクラスター空気清浄機や冷蔵庫、エアコンなどに支えられて通期売上高は3100億円、営業利益率は10.6%と唯一2桁を見込む。
ところが、生産拠点の大部分はマレーシアや中国に移転しており、主力の国内市場にとっては輸入品。安倍政権の打ち出したアベノミクスで、ジワジワと為替差損が広がりつつある。シャープは、利益率の高い事業を海外拠点に移しており、円安の恩恵を受けることができないようですね。シャープのような大企業が工場を海外移転すると、日本の雇用が失われますが、営利企業ですので利益を優先したということなのかもしれないですね。
(2)ソニーやパナソニックの為替レートと、シャープの利益
ソニーやパナソニックは円安で、想定為替レートを見ると、増収効果が大きいことが分かります。シャープも会社全体で見ると増収効果があると発表しており、私見ですが、週刊ダイヤモンドの記事では誤解を招く表現の可能性がありますね。シャープのプラズマクラスターなどは、売上高に占める割合が低いため、シャープの発表が正しければ円安になれば、収益が増益になります。
(3)みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は撤退できず
それぞれ3000億円超という融資をしている主力銀行は、世界大手の経営コンサルティング会社に加えて、エース級の人材を投入し、計画策定に全力を挙げている。だが、皮肉にも現場からは、深入りをし過ぎて「もう、引くに引けない状況になっている」と怨み節も聞こえてきているのだ。シャープにみずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行は巨額の融資を行っていますが、短期的に、融資返済の見込みはありません。
シャープは、社債の発行も不可能なため、銀行に資金繰り依存が続いており、巨額の不良債権を抱えるリスクがあります。
(4)片山会長の復権
計画発表は当初予定より3ヶ月以上もずれ込んでいる。この再建シナリオに沿うような形で、シャープ本社2階の重役フロアでも、異変が起きつつあった。1月7日午前、奥田社長のメッセージを全従業員に伝える場が用意されたが、その前に片山会長が挨拶で自身のビジョンをとうとうと語り始めた。シャープ 経営者の失敗により、財務状況の悪化やホンハイとの提携交渉の長期化と失敗がおこっていますが、それを物語るエピソードですね。
(5)シャープ赤字の責任と経営者
「世界の人たちがシャープを見ている。昨年4月から、私も数十回は海外と日本を往復しています」ただ片山会長には代表権がない。昨年4月、3760億円という巨額赤字の責任を取るようにして、5年間に及ぶ社長職を退いた。さらに相談役となった町田勝彦会長と共に代表権も返上したのだ。シャープの片山会長と町田相談役は、巨額赤字の責任をとって引責辞任の形をとっています。シャープ経営悪化の局面で、経営権がないにも関わらず提携交渉などで名前が浮上しています。シャープは、誰が意思決定を行うのか不透明になっていることも、混迷の一因のようですね。シャープ役員増加の老害で社員混乱(5)に続く。
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