河合商会 倒産の原因 鉄道模型Nゲージ販売

鉄道模型Nゲージなどを取り扱っている河合商会が倒産しました。自己破産直前までに、売上高が急減しています。ホビー好きのユーザーがいるので、長く続けられる業種と思うのですが、長期の超円高による犠牲の一社ということなのでしょうか。

会社概要


株式会社河合商会
弁護士一任、自己破産申請へ
TDB企業コード:982613711
「東京」 (株)河合商会(資本金1000万円、足立区保木間3-36-7、代表河合明氏、従業員10名)は、10月15日までに事後処理を高田正雄弁護士(中央区日本橋人形町1-6-2、電話03-6681-6868)に一任した。今後、自己破産を申請する意向。 

取扱商品

 当社は、1972年(昭和47年)6月創業、73年(昭和48年)9月に法人改組された玩具卸業者。ホビー関連の卸・輸出入を手がけ、扱い品はプラモデル、Nゲージ等の鉄道模型、ジオラマ、ミニカーなど多岐にわたっていた。プラスチック模型では、情景モデルパーツに民家や駅舎を配した風景模型の「箱庭シリーズ」や芝居小屋、屋台などの「風物詩シリーズ」が有名。
河合商会の特徴としてあげられるのは、輸出入の双方を手掛けていたということであると思います。加えて、業界がホビーですので、生活必需品ではありません。

従って、景気の影響や為替の影響を受けやすいとも言えます。

中国向けなど輸出で業績拡大

鉄道模型(Nゲージ)は鉄道ファンの間で「カワイの鉄道模型シリーズ」として一定の知名度を有し、国内販売のほか、最近では中国を中心に輸出関連の売り上げが伸張、2003年8月期は年売上高約9億円をあげていた。 
輸出関連の売上が好調であったようですね。
売上伸張とありますが、前年比の数字は記載されていません。

ただし、他の報道と比較すると、それが如実に現れます。

売上高が3分の1以下に激減

 鉄道模型を中心に堅調な業況が続いていたが、リーマン・ショック後の世界的な景気悪化でアジア向けの販売が減少したうえ、得意先の倒産による販路喪失などもあり、2009年8月期の年売上高は約2億4000万円に急減していた。以降は、2011年3月の東日本大震災による消費自粛ムードの高まり、円高による輸出採算の悪化などから、2011年8月期の年売上高も約2億5000万円と低迷。その後も業況回復の見込みが立たず、ここにきて事業継続を断念した。 

 負債は推定1億円前後とみられるが、現在、調査中。
2003年8月期は、中国など輸出関連で売上を伸ばしていますが、リーマンショックと得意先の倒産で、一気に売上高が3分の1以下に急減しています。

2003年8月期 売上高 約9億円
  ↓
2009年8月期 売上高 約2億4000万円
  ↓
2011年8月期 売上高 約2億5000万円

在庫の抱え方は不明ですが、仮に1ヶ月分の在庫を抱える経営スタイルをとっていたとすると、相当な量の在庫過剰になっていたことが予想できます。

下記の1ヶ月はあくまで、推定です。卸だともっと多いと思いますが、取り扱い商品も特殊ですし、ひとまず1ヶ月と仮定しました。

2003年8月期 在庫推定(売上 一か月) 約9億円×(1/12)=約7,500万円
  ↓
2009年8月期 在庫推定(売上 一か月) 約2億4000万円×(1/12)=約2,000万円
  ↓
2011年8月期 在庫推定 (売上 一か月) 約2億5000万円×(1/12)=約2,083万円

為替についても、アジア向けは、おそらくドル建と思います。

リーマンショック以降の売上急減、その後の業績伸び悩みも、円高により輸出向けの採算が合わなくなったことがその一因ではないでしょうか。

長期の円高の影響による倒産が示唆されており、この会社も民主党政権の犠牲者と言えますね。少し気になるのは、デリバティブに手をだしていたのかどうかも気になっています。

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