シャープ倒産可能性 銀行との約束

新型液晶の販売交渉が報道されています。これが、銀行との再建計画の柱の一つとなっているため、交渉するのは、当然と思いますが、成約の可否は報道されていません。

シャープの倒産可能性について、CDSを見れば明らかですが市場は折込み始めています。交渉の長期化・失敗した場合、銀行の対応を注視する必要があります。


あくまで長期供給の交渉

シャープ、HPやデルと交渉 最新鋭液晶を長期供給へ
朝日新聞デジタル 10月20日(土)23時44分配信
 経営再建中のシャープが最新鋭の高精細液晶「IGZO(イグゾー)」のパネルを、米パソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)やデルに長期供給する交渉に入っていることがわかった。液晶事業の赤字に苦しむシャープにとって、大口販売先を確保して経営再建にはずみをつける狙いだ。
管理人、朝日の記事タイトルに釣られました。
記事だけみると、長期供給の可能性が高そうですが、そんなことは書いていません。

これも会社からのリーク記事なのでしょうかね。

いつから、供給が始まるのか期待して見てたのですが、交渉するのは当然と思う訳です・・・。



シャープに関して言えば、情報開示が最悪レベルでしたので、市場からも相当悪い評価を受けています。上記は、CDSの数値ですが、とんでもない値がでています。

亀山工場の稼働率が極めて低い

 IGZOパネルは高精細、省電力が特徴で、シャープが今春、亀山第2工場(三重県)で世界初の量産を始めた。すでに今冬モデルのスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末の一部に搭載され、米アップルの「iPad」も採用しているが、亀山第2工場の生産能力が大きいため、現状の稼働率は3~4割にとどまり経営の足かせになっている。
シャープは、堺工場はもちろんのこと、亀山工場でも過剰投資で苦しんでいる事が分かります。
最新の液晶と売りにしていますが、稼働率が半分にも達していない現状があります。

この報道を見ても分かりますが、経営陣の明らかな判断ミスですね。

銀行への約束の一つ

 シャープが8月に発表した2013年3月期の業績予想でも、連結の営業赤字1千億円に対し、液晶事業はそれを上回る1050億円の赤字を見込む。大口販売先の確保は、9月に銀行に提出した経営再建策の柱の一つになっている。
ここが重要なポイント。
シャープは、銀行から巨額の借入を行っています。

経営再建策の柱が大口販売先の確保ということは、交渉が長引く・失敗すると、厳しい立場に追い込まれるということでしょうね。

銀行に提出しているわけですから、交渉に失敗すると、業績予測の下振れ圧力がかかりそうですね。

契約に成功しても稼働率は低い 追記


最新液晶パネルIGZO、シャープ浮沈の鍵握る (2012年10月21日10時13分  読売新聞)
 IGZOは消費電力を従来の10分の1程度まで抑えることができ、画質も高い。KDDIが年内にも発売するタブレット型端末に搭載されるが、同社の従来モデルより2・5倍電池が長持ちするという。 
 世界のパソコン市場で上位を占めるHP、デルとの契約がまとまれば、IGZOを生産する亀山第2工場(三重県亀山市)の稼働率は、現在の3割程度から5割を大きく上回る水準へと上昇し、液晶事業の業績改善につながる見通しだ。
新型液晶の特徴については、上記をご参照。
契約については、仮に成功したとしても稼働率は50%程度に留まるようですね。

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