銀行への再建計画 新型パネルの行き詰まり
▲シャープ倒産可能性 銀行との約束 2012年10月21日
シャープが8月に発表した2013年3月期の業績予想でも、連結の営業赤字1千億円に対し、液晶事業はそれを上回る1050億円の赤字を見込む。大口販売先の確保は、9月に銀行に提出した経営再建策の柱の一つになっている。
世界のパソコン市場で上位を占めるHP、デルとの契約がまとまれば、IGZOを生産する亀山第2工場(三重県亀山市)の稼働率は、現在の3割程度から5割を大きく上回る水準へと上昇し、液晶事業の業績改善につながる見通しだ。
ポイントは2つ。
(1) シャープは、銀行にに再建計画をだしていること。
(2) 新型液晶の契約がなければ、稼働率は3割程度に留まっている点です。
半年で4000億円の大赤字
▲シャープ倒産危機 中間決算赤字 半年で4000億円 2012年10月25日従来予想は2100億円の赤字(前年同期は398億円の赤字)だった。下方修正は8月に続き今期2度目。4~9月期の最終赤字は2年連続となる。損失として積み増すのは評価損や繰り延べ税金資産のほか、追加の人員削減などに必要なリストラ費用で、合計2000億円弱。
ただ、液晶など主力工場の稼働率が想定以上に低迷している。米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けに中小型パネルを生産する亀山第1工場(三重県亀山市)では本格稼働が当初予定の今春から9月までずれ込んだ。タブレット向けなどの最新パネルを手掛ける同第2工場(同市)の稼働率も3割程度に低迷した。
4~9月期の業績が下振れしたことで、13年3月期通期の最終損益も従来予想(2500億円の赤字)から下方修正する公算が大きい。
ポイントは3つ。
(1) 業績の下方修正は2度目
(2) 主力工場の稼働率は、低迷を続けている
(3) 最終損益も下方修正の可能性が高い。
上記を踏まえると。
銀行との信頼関係も破壊されそうですね。
市場に対するアナウンスにも失敗している事が分かります。
ただし、それすらも、既に織り込まれているようです。
CDSの急激な変化
▲シャープ倒産扱い CDS暴騰 転換社債暴落 2012年10月18日
シャープに対する失望については、上記に現れています。
経営陣の度重なる失敗で、圧倒的に潰れると思われており、急激に悪化している事が分かります。
では、決算発表後の直近の値を見てみましょう。
上記は、10月26日のものです。
シャープの中間決算報道に対して、CDSの値が低下しています。
過度に悲観的であったのが、是正された可能性もありますが。
シャープの、業績に対する信頼性が元々、低かったと考えると、非常に悲しいですね。
倒産がいつ来ても、おかしくないと見ており、CDSが上がるところまで上がったので、ひとまず下がったと見るべきなのかもしれません。
シャープ倒産の影響
▲シャープ倒産の影響 取引先企業の特徴 2012年10月25日木曜日
東京商工リサーチによると、シャープ本体とシャープの連結子会社(13社)と直接、間接的に取引している企業は国内で約8500社、従業員数は合計約420万人に及ぶ。
東京商工リサーチの調査では、シャープと連結子会社は約8500社のうち2031社の1次取引先から部品などを直接調達している。
関東
【1次取引先企業】 895.7社=2031社(1次取引先)×44.1%(図表より)
・東京都 (603社)
・神奈川県 (137社)
・栃木県 (44社)
近畿
【1次取引先企業】 761.6社=2031社(1次取引先)×37.5%(図表より)・大阪府 (560社)
記事とグラフをまとめたのが、上記です。かなり、特定地域が多いのが分かります。
東京都については、大手企業の本社が多い関係もあるのではないでしょうか。
東京都と大阪府は人口に格段の差がありますが、ほぼ同数であり大阪府の方が影響が大きい事が分かります。
栃木県については、経済規模を考えると、突出している事が分かります。
シャープの倒産について
シャープについては、新型液晶の大型契約に失敗すれば、民事再生法か会社更生法の適用の可能性が十分にあるのではないでしょうか。CDSの水準からすると、いつ起こっても仕方がないという数値になっていますね。
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