シャープの外部格付は、格付け会社が一気に6段階格下げ。もともと、倒産を織り込み済みであったが、300bp急上昇している。事実上のジャンク債となっており、市場からの信頼はないに等しい。市場からの、新規の資金調達は困難だ。
三菱東京UFJ銀行が格下げ
格付会社による、格付けだけでなく銀行格付けも低下した事が報道されている。11月3日の現代ビジネスで、シャープの銀行内部の社内格付けについて触れている。
シャープの凋落が止まらない。すでに社内からは「このままでは来年3月までに経営危機で重大な局面を迎える」(幹部)といった声も出ている。要は倒産の可能性があるという意味である。メーンバンクの一つ、三菱東京UFJ銀行はシャープへの貸し出しについて、「要注意」としてすでに貸倒引当金を積んだ。シャープは、みずほコーポレート銀行も並列のメインである。債権が巨額である事から、両行の格付けは、ほぼ同じであると考えることができる。
CDS市場は倒産扱い
CDS市場を見ると、シャープは倒産扱い。むしろ、格付け会社の格下げが、遅かったくらいだ。最近のリーク報道で、CDSの水準が低下していた。しかし、格下げ報道により、一気にCDSの水準が上昇している。報道自体も、信憑性の薄い怪しい報道が出回っていることに注意が必要ではないだろうか。
アップルが提携交渉の報道を許すであろうか。
銀行との約束
直近のシャープへの貸出が、本社など主要不動産に担保つきであることが、話題となった。銀行の格付けと合わせて考えると、次はない。シャープが銀行とした約束の内容は、大口取引先との提携だ。シャープの工場稼働率を考えると、複数の提携を成功させる必要がある。
シャープの命運は、提携交渉の成否にかかっているが、現時点では勝算は薄いのではないだろうか。
【引用】
▲アップルも後押しする鴻海との提携にも尻込み。無責任な経営トップが続く限りシャープの凋落は止まらない 2012年11月03日(土) 井上 久男
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