日本直販 粉飾決算か 原因はデリバティブも

倒産した日本直販が、粉飾決算を行っていた可能性が報道されている。粉飾決算拡大の原因に、デリバティブの損失もありそうだ。オーナー経営者への貸付もあり、非上場企業の弊害がでたのではないだろうか。

日本直販ホームページより

決算の売上高を水増し

再生法申請の「日本直販」、決算売上高粉飾の疑い
2012年11月10日15時19分
 テレビ通販の「日本直販」で知られる総通(大阪市、非上場)が、決算の売上高を過去10年以上、実際よりも水増しするなどの粉飾をしていた疑いがあることが分かった。売上高の過大計上は計41億円に上るとの調査もある。オーナー経営者への貸付金10億円の回収も滞っているとみられ、ずさんな経営状況が明らかになった。
日本直販が倒産した事が報道されたが、粉飾決算であったことが濃厚だ。ポイントを整理してみよう。
  • 非上場
  • オーナー経営者に10億円の貸付金
  • 売上高を、過去10年以上水増し
  • 売上高、過大計上は計41億円
非上場の典型的な、同族企業のため、会計上のチェックが緩かったのであろう。オーナー経営者への貸付金も焦げ付いているのかもしれない。

売上高を過大計上していたという事は、配当金をいくら配当していたのかも今後のポイントになるのであろう。

トランスコスモスがスポンサー

 総通は9日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。負債総額は174億円。コールセンター大手のトランスコスモス(東京都)を支援者として再建を図る方針だ。
スポンサー企業として、トランスコスモスの名前があがっている。どうやら、スポンサー企業が見つかっているようである。債権カットの割合と粉飾決算の動向が、今後のポイントになりそうだ。粉飾決算の中身によっては、一筋縄ではいかないのかもしれない。

総通の借入先が多いのがポイント

 関係者によると、総通は2012年6月ごろに資金繰りが悪化。主力金融機関の京都信用金庫(京都市)など借入先約20行に返済の猶予を求めた。7月ごろから京都信金と再建策を検討。同時に、外部の財務コンサルタント会社による資産査定を受けた。この過程で粉飾の疑いが浮上した。
ポイントは、総通の借入先が、約20行と多いのが一番のポイントだ。
銀行ごとに、決算書や試算表を作り分けるケースがある。取引銀行が非常に多いので、一つのポイントになると思われる。

破綻の「日本直販」、70億円粉飾情報が浮上…20年間で
しかし、デフレによる消費低迷に加え、テレビ通販は有力企業や専門チャンネルが増え、さらにネット通販も急拡大したことで減収基調をたどり、2009年9月期は年商約280億円に。デリバティブ(金融派生商品)での運用失敗も重なり、資金繰りが悪化していた。
一つ、気になるのはこの部分。

運用と書いてある事から、デリバティブは、仕組債を指している可能性が濃厚だ。時期は、明記されていないが、リーマンショックの影響を受けた可能性がある。

仕組債のデメリットは、奈良の事例で紹介しているので、興味のある方はご参考。

日本直販の、粉飾決算の原因にデリバティブの損失もありそうだ。続報で、粉飾決算のスキームについても報じられるのであろうが、その内容を注視したい。

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