日経新聞でシャープの連載
日経新聞で、シャープの状況を取り上げたコラムの連載が始まった。2012年11月20日2面危機の電子立国、シャープ混迷1より。少し、長いのでこの日の記事を報道を振り返りながら3回に分割して紹介する。
会計事務所が取引先を調査
「シャープからの受注が急激に減ったり、支払いが滞ったりしたことはありませんか」
10月末、シャープと取引のある部品・素材メーカーに一斉に、問い合わせが入った。調べていたのは、世界四大会計事務所の一つ。
「調査を依頼したのはだれか」。取引先の間では臆測が飛び交った。シャープから大量の液晶パネルを買っている米アップルか、それともシャープが提携交渉を進めているとされる米インテルか。いずれにしても、海外の有力企業がシャープの“身体検査”を始めたことは間違いない。
「我々も気を引き締めていかないと」。日本の取引先もシャープへの警戒モードを一段あげた。シャープの取引先に、世界四大会計事務所から調査が入っていることが指摘されている。ポイントは、受注の急減と支払いが滞っているかどうか。シャープの生産動向と、資金繰りを調査していることが分かる。
シャープとホンハイの合意
株式市場や取引先がシャープの経営状態に対する危機感を強めたのは8月2日。シャープは2013年3月期の最終赤字予想を、従来の300億円から2,500億円に下方修正した。
翌朝、東京都港区にあるシャープのオフィスで、会長の片山幹雄(54)と相談役の町田勝彦(69)は、鴻海(ホンハイ)精密工業薫事長の郭台銘(62)と向き合っていた。
3月にシャープに9.9%出資することで合意した時の鴻海の買い取り価格は1株550円。だがこの日、シャープ株価は急落、一時187円まで下がった。3月時点の条件で出資すれば鴻海は巨額の含み損を抱える。
「鴻海に迷惑はかけられない。買い取り価格は見直す方向で検討しましょう」。町田が切り出すと、郭はうなずいた。「シャープの株価が上がるように両社で協力していけばよい」シャープとホンハイは、提携交渉は失敗か、と言われていた。どうやらこの時は、出資の延期で合意していたようである。
シャープ経営者の失敗(2)に続く。
0 件のコメント:
コメントを投稿